秋野不矩

秋野不矩

  京都国立近代美術館で、5月11日まで開催中の生誕100年記念「秋野不矩展」に行ってきました。秋野不矩は1908年に静岡に生まれて、21歳で京都に住み、没するまでを過ごしました。と書いたものの、誘われて展覧会に行くまでは、高名な日本画家という知識がある程度で、浮かぶ絵は、美しい日本画か子どもを描いたものだけ。ところが会場を埋めたほとんどの作品はインドを描いた、エネルギーあふれる大作が主。そしてその経歴を見ると、6人の子どもを育て、50代で離婚、その後、54歳でインドの大学の客員教授として赴任し、インドに魅せられ以後、度々訪れ、インドのみならず、ネパール、アフガニスタン、アフリカにも赴いて数々の作品を残しています。没年時は93歳。
  会場に飾られた、晩年の白髪の穏やかなお顔からは想像できない、力強く生命力に溢れかつ、母性的な愛に満ちた作品の素晴らしさ、そして、その人生の道程に深く心動かされてしまいました。
  また、石井桃子さん等との絵本の画は、モダンでとても可愛らしい。