苔とあるく

苔とあるく

苔とあるく

並べられたこの本に出会って、もう、随分前、苔が好きだったことがあり、花背で採集した苔を、家の庭に植えたりしていたことを思い出しました。その庭も、数年前に今の家の形になった時になくなり、だからその時の苔ももうないことになるのです。それでも、今の庭にも、植えたはずのない苔がいつのまにか増えています。年に一度くらい来て下さる植木屋さんに、「胞子が飛んでくるし、地苔が増えますからねぇ。」と説明を受けてなんだかわかったような気になっていたのがつい数日前。これも、何かのご縁かと、迷わず、この可愛い装丁の本を手にとってしまいました。おまけに、著者は田中美穂さん。銀閣寺近くで、独特の雰囲気のお店を出しておられる方ではないですか。(と、書いて、どうも、銀閣寺の「田中美穂植物店コーヒーショップ」の方と、この本の著者である田中美穂さんは、どうも別の方のようで、早とちりでした。にしても、植物に多大な愛をささげておられる同姓同名の方が、いらっしゃるんですね!)これはもう、ますます欲しい。中は丁寧な解説、豊富な写真にあふれていて、田中さんが半端な方ではないことがよくわかり、それも収穫でした。苔の魅力に再び触れられて幸せです。