中平卓馬 来たるべき写真家

河出書房新社からの一冊。東京国立近代美術館ミュージャムショップにて購入。
この日、2015年の9月2日、東京国立近代美術館で「事物 一九七〇年代の日本の写真と美術を考えるキーワード」という写真展を見る。初めて、展覧会で見る中平卓馬の写真は素晴らしかった。1970年代の頃の写真を思い出すことが自分に起こっていたちょうどその時、行こうかどうしようか迷って、閉会を10日後に控えていたこと、東京に寄れる条件だったことも考えて思い切ったのだ。東京駅から大手町を抜けてお堀沿いをとぼとぼ歩いてたどり着いた美術館で感動しながらもふと、この写真家の近頃の健康が気になっていた。1日に逝去されていたと知ったのは帰ったその日だった。ミュージャムショップには、展覧会の中の作家でもあるからだろうけれど、こんなに中平の写真集や書物が並んでいるのかと驚きもした。いままた、脚光を浴びられているのだなぁと思ったのだけれど。全くの偶然にすぎないのだが、ナルシスティックに共時性を感じて感慨無量。ネットで見た、自分が知るお若い頃の写真が懐かしい。ご冥福をお祈りいたします。