本 まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

初めての三浦しをんさんの作品。賞には縁のない自分ですが(読者としてね)このところ、二作目の賞もの関係。直木賞らしい。色々感想を読んでみると、どうも、三浦さんはもっともっと面白いものをたくさん書かれているようで、これは無難な作品のようだ。スパイク・リーの今年劇場で見た新作といい、日記にも書いた、西原さんの一作といい、どうも、その方、初体験の私が選んだ作品は、いわゆるその方らしい味わいの代表作という感じではないようだ。でも、どれも、面白く、先につながるものではあり選択に間違いはなかった(負け惜しみではないのですよ)のです。
 さて、本作は、便利屋を営む主人公と居候として暮らし始めた高校時代の同級生の約一年の物語。便利屋といえば、ずっと以前、まだ前の家だったころ、納屋の屋根裏に猫が住み着いて子猫の鳴き声が聞こえてくる、ということがあり、その時、救出を頼んだ事を思い出した。無事、推敲されたのですが・・・とそれはさておき、どうやら、まほろという土地は、町田なのだそうで、それがわかったからといって関西人の自分には皆目イメージに血が通わないのですが。とそれはさておき、これは映像化されるだろうなという予感がします。それは、作品の評価とは関係ないかもしれないけれど。適度に胸に沁みて、ちょっとほろりとして、やや物足りなく中途半端間は残るものの一気に読んでしまった作品でした。