山椒大夫
- 出版社/メーカー: 大映
- 発売日: 1988/06/24
- メディア: VHS
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ひとさらい、強制労働、いろいろな虐待などこんな残酷なストーリーだったのかとあらためて気が塞いだ。それでも見続けずにはおれなかったけれど。ラスト、厨子王と母が再会する前、二年前に村が十が九つまで流されるという大きな津波の被害にあうというエピソードが出てきて驚く。
それにしても、モノクロの素晴らしい映像。どの瞬間を切り取っても一枚の作品として美しく胸を打つもののように思う。一枚一枚が積み重なって動いているような。それが、映画作品としての肯定的な意見なのかどうかはわからないのですが。宮川一夫さんすごい。
入水場面の影、波紋の陰翳の美しさはほんの数十秒のシーンながら
いつもでも残る場面になる気がする。黒澤映画ともまた違うのですよねぇ。
途中、あまりに波乱万丈な成り行きに、脈絡もなくイザベルアジャーニの「アデルの恋の物語」を思い出した不思議。