本 臨場

臨場

臨場

横山秀夫にほぼはずれなし。本書も面白い一冊でした。
群を抜いて卓越した技量から
終身検視官と呼ばれる倉石という検視官が主人公なれど
短編の一つ一つには、他にその物語の核になる人物が設定されている。
パトリシア・コーンウェルが描く「検視官シリーズ」のように
微にいり細にわたる検視の状況・知識はほとんど描かれず
人間の機微に光をあてて描かれていく。
それにしても、あざとさと紙一重の上手さ。本当にお上手なのですね。
胸を熱くする物語の連続です。