めがね

めがね

めがね

断片的にみただけだった「めがね」(2007)をみる。小林聡美薬師丸ひろ子のホテルから、重い荷物を引きずってとぼとぼと草っぱらを延々歩く場面、「テス」でナスターシャ・キンスキーが馬車から降りてどこまでも何もない道を歩くシーンを思い出した。色々違うけど。かき氷食べてメルシー体操覚えたい。

 テス

「遥か群衆を離れて」があまりにも面白かったので、同じトーマス・ハーディ原作の映画、ロマンポランスキー監督の「テス」(1979)をやっと見る。当時は美しいだけの人だと思っていたナスターシャ・キンスキーの素晴らしかったこと。長年の誤解を心から謝罪。

 煙突の見える場所

煙突の見える場所 [DVD]

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高峰秀子の作品を何本か見て、その天才性や、芸達者ぶりには、本当に感動したし、なるほどと思ってきたけれど、どこか、好き嫌いで言うと、かもしれないけれど、どこかすっきりこなかった。でも、この作品は、しっくりと、高峰秀子っていいなぁ、と思うものだった。それが、どこからくるのかまだわからないのだけれど。
そして、上原謙。その演技力は高峰とは反対に、白い野菜にたとえられるほどであるが、これもまた、今まで、自分にはしっくりこないものであった。今回もまた、しっくりこなかった。と、変だけど。味があったし、駄目男ぶり、でくのぼうぶりなど、しぜんであった。それだけでなく、最後、田中絹代が赤ん坊をあやすところ、思わず、口をすぼめて、離れてあやしてしまうところなど、なかなかできるものではないなどと思った。
芥川比呂志との夫婦の時間に魅せる高峰の様子、実際の結婚生活でもこんな表情があったのでは?と思ってしまった。それは、夫、松山善三芥川比呂志にどこか類似性があるように、自分自身が感じただけかもしれないが。

土曜の夜と日曜の朝

アルバート・フィーニー、若き頃のイギリス映画。仕事の腕はめっぽういい旋盤工ながら、決して境遇には満足していない若者。人妻とつきあったり、職場で子どもっぽいいたずらをしたりと憂さを晴らしながら、家には給料を入れ、スーツをバリッと来て酒場遊びに出かける。反抗的で攻撃的だけれど、エネルギーあふれるどこか憎めない魅力を振りまく。見逃さなくてよかった。アラン・シリトー原作。

浅草の灯

島津保次郎の監督の「浅草の灯」(1937)。浅草オペラ、レビューはなやかなりし大正モダニズムの時代。長髪、二枚目の笠智衆、声を聞かなければ気がつかなかった。この笠智衆を他で見たことがないのが不思議。杉村春子の「私ゃそんなに頓馬じゃないからね。」のセリフある種彼女らしくていい。唐突な終わりが可笑しい。

浅草の灯 [VHS]

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 女と三悪人

井上梅治監督の時代劇「女と三悪人」(1962)。女は山本富士子三悪人は、市川雷蔵勝新太郎大木実。舞台は泥棒横丁と呼ばれる両国の一画。雑多で猥雑でワクワクする大規模なオープンセット。一触即発の空気が漂っている中、きっぷのいい連中の動きが小気味いい。役柄によってはうなづけない山本富士子、これは美しく魅力的。雷蔵の粋さも勝新の目力も大木の男気も生きている。
女と三悪人 [VHS]

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